2014年9月10日水曜日

小郡の民家改修|内部造作工事


地元・山口での初物件です。
高校時代の親友M君から連絡をもらい始まった物件。久しぶりに会うM君との有意義な時間を共有しながら計画が進み、6月に着工しました。

建物は築250年ほど経つそうで、白蟻の被害が少しありましたが基本的には元気な様子。M君のお母さんのご実家で、当時は誰も住んでいない空き家でした。250年の間に数度の増改築を重ねた結果、天井が貼られ小屋組が隠されていたり、元々は外部だった場所を屋内化したこともあってか床レベルが数種類存在したり、生活するには少々不便な状況。また平屋の田の字プランなのでほぼ間仕切りがなく、各部屋は襖などで仕切られていました。一見使い勝手が良さそうですが、家具を置く場所が無かったり(その結果、襖の前に箪笥を置いてありました)、部屋が細切れになり家の半分も使っていないとのことでした。

今回の改修は、隠れた小屋組を現しにし、これからの生活にフィットする家作りを目標にしています。現しにした大きな小屋組の下に、逆に間仕切りを設けて各場所にふさわしい設えをすることで様々な居場所を作っていきます。南北の開口を繋げるようなプランなので採光・通風の面でも有利に、更に小屋裏は全てひとつながりの空間になっているので、大らかな空気感に包まれます。逆に空調効率は悪くはなりますが、内装にガイナという熱を反射する特殊な塗装をしたり、床板に30mmの杉板を用いることで、無理のない温熱環境を計画しています。

解体後、思わぬところに柱・梁が存在していたり、度々の改修の爪痕があったりと、改修ならではのイベントが多数発生していますが、ご両親の柔軟な考えと現場の力でどうにか乗り越えられるかと。「改修ならでは」を楽しんでいこうと思います。