2011年2月3日木曜日

再び・・・

『ヒヤシンスハウス』ネタです。 その後、色々調べると面白いことがたくさん分かりました。 1つは設計者の立原道造さん。 高校・大学在学中から詩人として有名だったそうです。 東大では辰野金吾賞を3年連続受賞し、将来を有望されていたけど、24歳という若さで夭折。 面白い逸話として、「立原さんが建築を作り続けていたら、北欧建築が日本にも根付いていたかもしれない」と建築家・磯崎新氏が講演会で言われていたそう。 次はヒヤシンスハウスについて。 この住宅(小屋?)は週末別荘的に使用する目的で計画され、その計画中に亡くなったそうです。 その途中、恋人に2人で生活するには狭いからという理由で、拡張したプランもあったりと、人間っぽくて微笑ましく思います。

プランです。(勝手に載せてますが、NGの場合はご連絡ください^^;)

ワンルーム空間の小さな小さな住宅で、設備はトイレのみ。 敷地近くに詩人仲間が住んでいて、食事やお風呂はそちらで済ませることになっていたそうです。

メインファサード。 左手に立っている旗は、これを立てることで先の知人に立原が来たよと知らせる為の旗だそう。 建物中央の十字の透かしが入ったのは雨戸。反対側の外観です。 建物左手のピョッコリ手前に飛び出た部分がトイレ。 横長窓はベンチや机に面しています。 建物際に甕がありますが、雨水受けとして機能していました。 現在は縦樋が壊れてしまっています。 小窓はベッド脇のもの。 玄関廻りです。

木製階段、脇の大谷石のベンチ、外壁の杉、麻のマットなどなど簡素な素材で構成されています。 机廻り。 先の横長窓に面していて、とても気持ち良いスペース。ここで詩を書いたり、設計したり・・・と想像していたんでしょうね。 左下に見える十字の透かしをしている椅子も立原さん設計です。

机の先にベッドがあり、間仕切りも建具も無く、全くのワンルーム空間。
ベッド脇の小窓から別所沼を眺める計画だったそうです。
(現在は公園内の与えられた敷地に建っているため、逆の配置になり、ここから沼は見えません。)
ベッド側から生活スペースを見ています。 作りつけのベンチ、テーブル、スツールも立原さん設計。 現在は右手の窓から沼(現在は池ですが)を眺めることができます。
別所沼を眺めるL字型の開口部。
下枠を少し大きく作っているので、ちょっと腰掛けるようなことができます。
小さな空間に居場所を作るちょっとした工夫。こんな感じの、大好きです。
L字型の窓を開けると、一気にウチとソトが仲良くなるような仕掛け。
昭和初期に設計されたとは思えないレベルの高さ。 逆に言うと、こうやって先代の方たちの技術や知恵、アイデアがあり、今の自分たちがあるんですね。
新しい技術を取り入れていくことはもちろんだけど、先人の知恵にもたくさん学ぶべきことがあります。
これからも もっともっとたくさんの古建築を見て廻ろうと改めて思いました。
さぁ、がんばるぞー!

0 件のコメント:

コメントを投稿